OBD検査が開始されて以降、車体整備工場ではDTC管理の徹底、増加するセンサーに対するエーミングの効率的な実施、そして適正なアライメントの担保という3要素が重要視されています。この3つの作業を1台で実施するマルチ機器が、ホイールアライメント&ADASキャリブレーションシステム「IA1000WA」です。![]()
部品の取り外しが多い車体整備にとってDTCの管理は極めて重要です。入庫と納車前に実施する故障診断は、既存のDTCの特定と完成検査のチェックに有効な作業として浸透してきました。「IA1000WA」は入庫時診断のプレ診断(修理前スキャン)と納車前診断のポスト診断(修理後スキャン)のレポートを簡単に作成できます。自動車ユーザーをはじめ、保険会社に対し、不具合の説明、車体整備作業が適切に完了した旨のエビデンスとして使用できます。
| タブレットのカメラで車検証のQRコードを読み取り。 車両情報の入力・登録も楽々 |
レポートにはタブレットで撮影した画像を最大10枚まで添付可能。 作業実施のエビデンスとして活用 |
OBD検査による特定DTCのチェックなど、電子制御装置にはさらに厳重な整備が求められるようになりました。とりわけホイールアライメントについては適正なエーミングを行うにあたっての大前提となりました。「IA1000WA」はホイールアライメントの診断がスピーディーに、そして正確に実施できます。タイヤに装着したクランプをカメラが自動認識し、アライメント診断を行います。診断や調整作業については豊富なイラストや画像による作業ガイダンスに沿って行えるため、複雑な作業の要領を覚える必要がありません。
株式会社ホンダモビリティ南関東 ボディサービスセンター白井の斎木修一工場長は「ホイールアライメント計測作業でリフトアップが不要のため、作業の大幅な時短が望めます。弊社はアライメントの需要が高く、助かります」との感想を寄せてくれました。
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| 詳細なガイダンスに沿って作業を進行 | 全てのタイヤにクランプを装着 |
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| バーの両端にあるカメラがクランプを自動認識 | ローリング補正を実施 |
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| ディスプレイに表示された診断結果 | 診断結果のレポートを作成。コメントの記載も可能 |
アライメントの調整後の流れで、一気通貫にエーミング作業が行えるのも「IA1000WA」の長所のひとつです。ターゲットは物理的なボードタイプだけでなく、ディスプレイに表示するデジタルターゲットにも対応しました。搭載のカメラでターゲットの設置距離や高さを判別、ターゲット高さは自動で設定を行います。ターゲットの設置位置は、ディスプレイの表示に従い、「IA1000WA」本体を動かすだけ。迅速にエーミングの準備が整えられます。
今回の実機デモではマルチパーパスカメラとマルチビューカメラシステムのエーミングをそれぞれ実施しました。斎木工場長は「エーミングの課題は準備にかかる時間です。ガイダンスに沿って準備ができることで作業の効率化が見込めます。特に難儀なマルチビューカメラシステムのエーミング位置出し作業を素早くできたので、作業性が抜群にいいです」と語ってくれました。
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| マルチパーパスカメラのエーミング用 ターゲットを設置 |
ホイール中心点の基準にSSTを設置 |
ターゲットの高さは自動設定 |
| マルチビューカメラシステム用の センサーをバーに取り付け |
エーミング用マットの 設置 |
ディスプレイの表示に従い、「IA1000WA」を 動かして所定の位置に設置 |