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売上高の拡大と人手不足の自動車整備 作業効率と安全性の作業場づくりがキーポイント

人手不足と物価高騰が深刻化する自動車整備

 100年に1度と言われる自動車産業の構造変化の中、自動車整備業界は慢性的な人手不足に加え、経営者の高齢化に伴う事業承継、自動車整備の急速な高度化、部材費の高騰など、自動車整備業を巡る環境は近年、著しく厳しい環境にさらされています。
 こうした厳しい経営環境である一方、現在の自動車整備市場は活況を呈しています。この市場動向を追い風に今後も安定的かつ持続可能な整備工場経営をどのように維持していくか。そのヒントは生産効率の向上と安全で働きやすい整備作業場づくりがカギを握っているとANZENは考えます。3月に発刊された最新の自動車整備白書(令和7年度版)から自動車整備業界の現状から、自動車整備の現状を分析し、持続可能な自動車整備の未来をご提案します。

総整備売上高は4年続けて増加し、過去最高を更新

 令和7年度版自動車整備白書によりますと令和7年6月末現在の総整備売上高は、6兆6,592億円(対前年比4,031億円、6.4%増)となり、4年続けて増加。総整備売上高は、過去最高を記録しました(表1)。
 業態別では専・兼業が同10.1%(3,085億円)もの高い伸びを示すなど、全業態で売上高が拡大しました。部品材料費の上昇や工賃の引き上げによる価格転嫁が行われるとともに、車両の平均使用年数の長期化などが整備売上高の増加につながったものと考えられます。

表1

専業の定期点検整備が好調

 作業内容別では車検整備売上高が2兆7,037億円(対前年比1,637億円、6.4%増)となり、9年続けての増加となりました(表2)。また、定期点検整備売上高も好調を維持し、全体で4,928億円(同360億円、7.9%増)という実績は、前年比で比較しても車検を上回る大幅増となりました。中でも専業の売上高は同18.9%となり、著しく拡大しています。専業は6カ月点検、3カ月点検の売上高を大きく伸ばしたことが総整備売上高の高い伸びに繋がったとみられます。3カ月点検の対象車両には、事業用の乗用・貨物や自家用の8トン以上の貨物などがあり、これらの車両台数が増加を続けています。小口配送などの増加、直面する物流問題などがこの背景にあると考えられます。

表2

整備事業場数が再び減少に転じ、専・兼業の整備士・要員も減少

 一方では、整備事業場数の縮小傾向が進んでいます。整備工場数は9万2,251事業場となり、4年ぶりに減少、また指定工場は3年連続で減少し、2万9,810事業場となりました(表3)。業態別では専・兼業が前年比131事業場減少し、自家工場は同13事業場減少しています。これらの背景には整備士不足や後継者不在による廃業が増えていることに加え、新規の認証取得が減少している点が挙げられます。
 また、整備に関わる整備要員、そして整備士の人数は専・兼業事業者がともに減少する一方、ディーラーは増加するなど、明暗を分けています(表4)。このまま人材確保がままならない状況が続けば、専・兼業の事業場は減少の一途を辿る可能性も否定できません。   
 この他、整備士人材は高齢化の課題も抱えています。今回の調査では専業工場に勤める整備士の年齢が53.0歳となりました。ディーラーの整備士は30歳代をキープしていますが、整備士の平均年齢は全体(自家を除く)で47.7歳となり、高齢化に歯止めがかかっていません(表5)。

表3
表4
表5

整備要員一人当たりの年間整備売上高

 こうした状況により、整備要員一人当たりの年間整備売上高は全業態(自家工場除く)で4年続けて増加となる1,659万5,000円となりました(表6)。前年と比べて96万8,000円 (6.25%)の売り上げ増です。中でも専業の伸びは高く、同116万3,000円 (13.3%増)のアップとなる1,256万8,000円を記録しました。兼業が14万9,000円(1.2%増)の1,243万3,000円、ディーラーが45万3,000円(1.8%増)の2,564万1,000円の増加に留まっている点を鑑みると、専業の伸び率は際立っているといえます。

表6

整備需要増と人材減少の現場。効率勝負と安全性強化をご提案

 現在、自動車整備業界では「人材が減少する中で売上は伸びるという構造が顕著になっています。また、整備士一人ひとりの負担も高まり、平均年齢もじわじわあがっています。自動車整備業界はますます効率勝負の時代を迎えるとともに安全面のリカバリーが求められる状況を迎えています。
 安全自動車としては、省力化と効率化、そして安全性向上に加え、EV対応を軸に、総合的な観点から引き続き商品のご提案を行ってまいります。また、「省力化投資促進プラン」と絡めた補助金・税制活用のご相談なども積極的に承っていきます。

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